蔵元便り 柚野の里から

2014年09月

手応え(てごたえ)


今日は、秋晴れの真っ青な高い空と真っ黒な富士山が裾野まで見渡せる気持ちの良い朝を迎えました。

9月に入り、黄金色に実りの時期を迎えた田は、先月から続く長雨が台風一過と共に秋晴れとなると、一斉に収穫されました。農道を歩くと畔に咲く彼岸花の赤が、一際綺麗です。
富士錦でも、春から自社田で育ててきた飯米を、先週稲刈りしました。慣れない農作業に悪戦苦闘しながら、手を真っ黒にしていそしんでくれた若いスタッフ達のお蔭で今年は収穫高も増え、成果が目に見える形で現れ、ホッとしています。

とはいえ、隣の田では、酒米の王様である「山田錦」と「誉富士」が
青々としています。晩生の品種の為、これから十月半ばの稲刈り予定ですので、あとひと踏ん張り。この米は、今年の酒米の質を見極める貴重な米となります。

毎年9月は、富士錦は様々な会場で開催される「地酒祭り」や「展示会」に出店するイベントの多い月でもあります。来たるべき冬に備えて、お客様の顔を見ながら、話に耳を傾けて、富士錦の酒をPRしています。

今年は、特に秋が早かったからでしょうか。どの会場も、来場者数が非常に多く、富士錦ブースも多くの皆様にお見えいただき、うれしい悲鳴を上げました。

東京・名古屋と様々な会場で「清さん」と、お得意様から声を掛けていただく機会も増え、二十年掛けてようやく日本酒業界馴染めてきたのかな、と実感した秋でもありました。

確かな手応えを感じた秋。来月には、日本酒造りが始動します。今年も、心新たに酒造りに向かいたいと思います。