2006年11月
故郷を思う
毎日、事務所に向かう通り道の蔵の北戸をくぐると、そこは富士山を裾野から見上げる絶景ポイントですが、今日の富士山は、まるで絵はがきから抜け出したような、見事な美しさでした。
真っ青な雲ひとつ無い空と白く雪を被ったその山頂、そして透明な空気が山肌をくっきりと浮き上がらせ、その晩秋の風景は、本当に心にグッと染みこむような言葉にはならない気高さです。
この地に住む幸福を思いながら、しばらく引きつけられるように佇んでいました。
時折、こんな風にあんまり富士山が綺麗な日は写真を撮って、富士錦のホームページの中で紹介しています。
時々遊びにいらしてください。いつでもお待ちしております。
そして、10月25日に蔵人たちも入蔵し、富士錦の酒造りが始まりました。 半年間の留守を洗い流すように、現在蔵の中を洗い清める作業が始まっています。
今年は、皆声が大きく明るい表情が特徴です。 元気で明るいが一番の蔵の中で、この雰囲気は何よりです。
一人は、遠く岩手より車で入蔵し、片道6時間のドライブを楽しんできたと、まめまめしい表情で話していました。 今年の酒造りも、和醸良酒を期待できそうです。
ところで、先日、PTAの行事で柚野の里ウォーキングに参加してきました。
土井の川沿いを歩き、昔の甲府へ抜ける宿場町の歴史を残す、身延まで七里半という石碑を初めて見たり、お寺さんが多いこの里は、昔から寺子屋がたくさんあり教育熱心な気風がそこから生まれたお話など、改めてこの里の歴史を知り、また、初めて歩く里の道も体験してきました。
そして、里の川はどの川も本当にキレイな水が流れていました。 この里の美しさをもっとご紹介できるよう、当蔵も努力していきたいと、改めて思う一日でした。
故郷を思う気持ちを酒に醸して、今年も富士錦、日本酒造りに誠心誠意取り組みます。 来るべき師走をどうぞ新酒でお楽しみください。