9月中旬からしばらく仕事で、フランスへ行ってきた。静岡県の日本酒醸造技術が世界的に保護される「GI(ジーアイ)」の認証を国から得て、WTOの保護条項に加えられる事になり、ヨーロッパ最大の日本酒イベント、パリで行われた「サロン・ドゥ・サケ」でその講演を依頼された為だ。これは「GI(ジーアイ)静岡」の海外での初お披露目となり、出席者はフランス以外にも周辺6か国の青い目のプロ日本酒ジャーナリスト約40名。

講演の中では、複雑な静岡流の醸造技術を説明。約1時間の講演だったが、質疑応答ではその文化的価値に対し好意的な意見しかなく、最後は皆から大きな拍手をいただき、緊張の中、笑顔で終える事が出来た。

実は大学生の時に世界で活躍する夢があった。「世界に出る前に日本をちゃんと知っていなきゃ」と思い、夏休みを2回使ってバイクで日本を一周した。ところがその旅の中で、改めて日本の素晴らしさに気づいてしまった(笑)。安全さ、丁寧なモノ作り、美味しさの追求など…。多分、日本人でもまだ日本酒の滋味あふれる美味しさや醸造技術の高さなどを知らない人は多いと思う。海外では、日本酒はまだ飲んだことの無い未知の酒という人が圧倒的だ。

外国の人から「お前の国の酒はどんな酒だ？」と聞かれた時にちゃんと説明できる人がどれだけいるだろうか。この面白い世界を更に伝えないといけないと、改めて思う出張でした。